原文の内容を頭の中でイメージ化するために情報を集める
英文を読んでそれを日本語にする際、「これは何の話なのか」という大筋を見失わないように読んでいくことが重要です。そのためには英語を読み解く言語的な能力だけではなく、必要な情報を集めることによって書かれている内容をしっかりと頭の中に描くことが重要です。背景的な情報もなくただ言葉尻を訳しただけでは「何のことを言っているのかさっぱり分からない」訳になります。翻訳者はその原文の一番の理解者である必要があります。
翻訳する際に必要な情報は、今やほとんどインターネットを通じて集められます。しっかりと情報収集して正しい内容を適切に訳文に反映させなければなりません。
情報収集の例:
・企業等の依頼で製品情報などを訳す場合、公式ウェブサイトを確認して特定の用語の意味やその定訳を確認する(日本語の定訳があればそれに合わせる)
・技術情報などを訳す場合、内容について概要を調べることのできる専用のデータベース等(論文や文献等)がないか探す
・書籍を訳す場合は、著者の経歴や過去の著作などについて書店のウェブサイト(アメリカのAmazon.comなど)などで調べる。
・内容が現代の話でない場合、原文が書かれた時代背景などを調べる。
【参考:語学力だけじゃない!リサーチの重要性(川村インターナショナルさんのウェブサイト)】
専門分野の構築は実際の案件の積み重ね
翻訳に必要な業界の背景知識を習得するには、実際の翻訳案件を通して深めていくしかないという側面もあります。したがって「この業界の知識を深めるためにはこの本を読めばバッチリ」とはなかなか言えないです。
必要な情報をインターネットで得るには、慣れと経験が必要な部分もあります。翻訳に必要なGoogle検索の方法については、安藤進さんの『翻訳に役立つGoogle活用テクニック』などの本も参考にされてみてはいかがでしょうか。
私の過去の経験分野で参考になったウェブサイトやお勧め書籍について、以下にご紹介します。(書影をクリックするとAmazonのサイトへ飛びます)
[契約書関連]
英語の法律文書についてコンパクトにまとめられた分かりやすいサイト
法律英語を学べる動画
[IT関連]
■マイクロソフトの用語集
https://www.microsoft.com/ja-jp/language