一番気になるのは翻訳者の収入だと思います。翻訳者の報酬体系には大きく分けて以下のようなケースがあります。
- 時間給の場合(派遣社内翻訳者)
- 月給、年収の場合(正社員ポストの社内翻訳者)
- ワードカウントの場合(フリーランス翻訳者)
- 出版翻訳の場合(買い切り|印税)
①時間給の場合(派遣社内翻訳者)
私の場合、2003年当時に愛知県の某メーカーで1400円の時給で社内翻訳者として働いていました。派遣社員での時給については地域によって差があります。首都圏では1800円~2000円前後のところもあると思いますが、地方ですと1400円から1600円ほどが相場だと思います。私が働いていた頃の相場ですので、現在は上下しているかもしれません。
翻訳者の時給については「はたらこねっと」などのウェブサイトで調べることができますので、興味のある方は「翻訳」のキーワードで検索してみてください。
②つぎに、正社員としての翻訳者のポストですが、私は正社員として翻訳者のポストについたことがないので、申し訳ないですが詳しい金額については分かりません。こちらはLinkedInや転職サイトなどで調査可能かと思います。
③在宅翻訳者の中でも実務翻訳の場合はほとんどがワードカウントによる契約です。英単語1単語当たりいくらで翻訳するかという単価のことを一般に翻訳業界では「レート」と言います。
クライアント側の発注金額の相場は日本翻訳連盟のウェブサイトにも掲載されていますが、私個人の体感としては、現在の一般的な実務翻訳で一般的なビジネス文書を訳す場合の翻訳者の報酬はワード7~9円程度です。新人翻訳者だと5円や6円という会社もあります。(クラウド翻訳サイトなどで単価1円などというのは安すぎて論外です)何か特別な専門分野がある人やベテランの翻訳者だと14円から20円のレートで仕事している人もいます。
実際のレートは各翻訳会社との交渉になります。応募時に希望レートを書いてくださいと言われることもありますから、あまり最初に安いレートを記載してしまうと後で苦しくなりますし、あまり高いと敬遠されることもありますから、単価交渉は難しいです。
自分の単価を決めるのは自分ですから、一つの方法としては自分の一時間当たりの翻訳スピードを図り、時給いくらもらえたらこの仕事を自分がやりたいかで計算するという手もあります。
例えば、1時間200ワード翻訳して1800円の報酬が欲しい場合は、ワード単価は9円に設定する等です。
④出版翻訳の場合は、「買い切り」か「印税」かのいずれかになります。買い切りというのは「翻訳料」として本一冊いくらか、という契約に基づいて支払われる報酬です。これはプロジェクトごとに異なりますので、何とも言えません。
「印税」方式の報酬は本が売れた数によって、本の単価の数パーセントが支払われる方式です。翻訳者の印税については私個人は詳しく知らないので、詳しい説明は柴田耕太郎先生のこちらのウェブサイトに譲ります。