英訳の勉強法

-目次-

  1. 技術英語のライティングの参考書を使って勉強する
  2. 日英翻訳の参考書を使って勉強する
  3. 企業や官公庁などのウェブサイトを日本語版と英語版で確認し、英訳練習用の対訳を作る
  4. 自分の和訳を原文にして英訳の練習をする

 一般に翻訳は「外国語から母国語へ翻訳する」のが原則であり、特に出版翻訳では英訳(日本語から英語への翻訳)は英語を母国語とする翻訳者が担当するケースがほとんどです。

 しかし、実務翻訳では日本人が英訳を担当するケースは決して少なくありませんし、映像翻訳の分野でも最近は日本人の英訳者も増えてきているようです。

 翻訳者の中には英訳を中心に受注されている方もいます。原文の意味をしっかりと反映したシンプルで分かりやすい英語を書くことができれば、それを強みにして活躍の場は広がります。


1. 技術英語のライティングの参考書を使って勉強する


 そこで、まずは分かりやすくロジカルな英語を書くことに注力するため、技術英語の書き方を指南した以下のような本はとても参考になります。一通り読み終えてみると自分の書く英語がずいぶん英語らしくすっきりしてきます。

 しかし、後ほどトライアルのページでもご紹介しようと思いますが、和訳の場合と比較すると、英訳者として登録する場合、日本人は「英語がナチュラルでない」という理由で不採用になることがあります。

 日本人の英語が不自然だと言われる理由に「冠詞の使い方がおかしい」というものがあります。日本語には冠詞の概念がないので日本人にとっては特に難しく、冠詞の説明だけでまるまる一冊使った本も、多く出ています。実際に(私自身も含めて)日本人の書いた英語をネイティブに見せると直される箇所はほとんど冠詞だったりもするので、英訳を中心に仕事をしていきたい場合は、冠詞を重点的に勉強するのもお勧めです。[英語の冠詞に関するお勧め参考書]


2. 日英翻訳の参考書を使って勉強する


日英翻訳に関するお勧めの参考書はこちら


3. 企業や官公庁などのウェブサイトを日本語版と英語版で確認し、英訳練習用の対訳を作る


外務省、特許庁などの省庁やトヨタ自動車などの公式サイトには、英語版があるものがあります。それらの同じ内容の部分を拾って対訳を作れば、自分だけの翻訳教材になります。

外務省ホームページ [英語版]

特許庁ホームページ    [英語版]

観光庁公式ウェブサイト [英語版]

トヨタ自動車公式企業サイト [英語版

 (対訳例) [トヨタ生産方式] [Toyota production system]


また、Newsweekのような対訳のあるニュースサイトを使い、日本版の日本語から英訳する練習をすれば、自然な英語を模範訳にして練習できます。


4. 自分の和訳を原文にして英訳の練習をする


 対訳のない題材で練習する場合、こんな勉強法はいかがでしょうか。英日の勉強で自分が訳した日本語をしばらく寝かせておきます。ある程度時間が経って英語の原文を忘れたところで、自分の日本語を原文としてそれを英語に訳してみるのです。英語の文章というのはなかなかお手本がないので、独学では日英の翻訳は勉強しづらいのですが、自分が伸ばしたいと思っている分野の英語の文章と、それを自分で訳した日本語という対訳を教材として英文を書く練習というのは、お金をかけずに意外と簡単にできるのでお勧めです。