翻訳者の営業戦略

翻訳者の営業戦略には以下のようなものがあります。

1. 業界団体(JAT、JTF、JACIなど)のマイページ、翻訳者ディレクトリ、LinkedInなどに自分のプロフィールを記載する:潜在顧客からの問い合わせを増やす

 自分につながる「窓口」をネット上にたくさん置くことで、直接取引のお客様からの単発/継続の仕事につながったり、翻訳者を探している翻訳会社・エージェントなどから声がかかることがあります。LinkedInなど海外のユーザーも多いSNSでは、プロフィールを英語と日本語で併記すると海外からも問い合わせが入りやすくなります(海外に特化して英語のみにするのも人によっては有効)
2. 自分のウェブサイトを構築する:自分のウェブサイトを構築し、提供する翻訳サービスの分野、詳細、料金、翻訳方針や方法などを詳しく記載する

 エージェントを通さず直接、個人の翻訳者と取引したい企業が増えています。そんななかで自分のウェブサイトを開いている翻訳者はまだまだ少数派。しっかりと自分のサービスの特徴を表現したウェブサイトを持っていると問い合わせが入りやすくなります。
3. ブログ、note、SNSでのコンテンツ発信を強化する:自己開示して潜在顧客が自分へ依頼する際の「心理的不安」を取り除く

 ウェブサイトを構築して自分のサービスを丁寧に説明してあっても、「ネットでたまたま見つけた見ず知らずの人」にいきなり翻訳を依頼するのは依頼者にとっても心理的ハードルが高いものです。普段からブログやnote、SNSなどで自分の意見や思いを表明している人は、どこかで見ていたかもしれない潜在顧客から親近感を持たれやすいため、問い合わせが入りやすくなります。
4. 対面イベントやオンラインイベント/SNSトークルームへの参加:業界での横のつながりを強化する(同業者同士の紹介の可能性)

 翻訳者は自宅で孤独に作業し、お客様からの依頼をひたすら待っているだけの存在ではありません。もちろん、質の高い翻訳を日々、提供していくことが大前提であり、とても大切なことですが、同業者同士で仕事を紹介し合うこともあるなど口コミが大切な業界でもあるため、オフライン、オンライン問わず同業者と積極的に交流することはメリットが大きいことです。
IJET-31 (2023年 6月24・25日) 
英日・日英翻訳国際会議 (IJET)